■解説
▲TOP
   Artists and Concerts/Performances アーティスト・公演
   Information インフォメーション 
   Questions & Comments  お問合せ・ご意見 ▲HOME
Real & True Live Series  Pauliina Lerche 日本盤発売記念ライヴ!
  ≫解説 ≫リンク ≫Song Samples
パウリーナ・レルヒェ(Pauliina Lerche)

1974年、フィンランドのロシア国境近いカレリア地方の北部の小さな村で生まれた彼女の音楽的なキャリアは、この村から生まれたフォーク・ミュージックのバンドとして現在最も有名なヴァルティナ(Varttina)でスタートしている。そう、彼女はヴァルティナのオリジナル・メンバーの一人だ。9歳から15歳までの約6年間をヴァルティナで、主にヴァイオリンを演奏し、オリジナル・アルバム2枚を録音。1987年の"the Kaustinen Ensemble of the Year at Kaustinen Folk Music Festival" 受賞以後は、欧州各地で公演を行っているが、その音楽性に飽き足らず彼女はヴァルティナを離れることとなる。(バンドは後に別のオリジナル・メンバーであるMARI KAASINENを中心に再結成され今に至っているが、現在の二人の音楽性を比べてみることはきわめてスリリングな体験だ。)

その後、パウリーナは、音楽高校を経て、世界的にも有名なシベリウス・アカデミーに進学する。そこで彼女は民俗音楽学部(Folk Music Department)に籍を置き、2002年に卒業するまでにその音楽的な視野を拡大し、強化した。そして卒業と同時に彼女はフィンランドの民族音楽のもっとも個人的な大使の一人として世界の音楽シーンに飛び出した。その間、実は日本でも芸大の交換留学生として1995年に来日し学んでいる。パウリーナは、この高校〜学生時代(1989 - 2002)にも、精力的にオリジナルを演奏するバンドをいくつかやっており、何枚かのシングルを出している。

パウリーナは、アコーディオン、ヴァイオリン、カンテレ、デルター(中近東生まれのハープの一種)を操るマルチ・インストゥルメント奏者であり、同時に強力な歌い手でもある。彼女は、作曲をし、アレンジを行い、歌詞を書く。まさに天才である。カレリア地方の伝統の確かなバックグラウンドをワールド・ミュージックやポピュラー・ミュージックと融合させた彼女自身のオリジナル作品は他に類を見ない。最初のソロ・アルバムである『Katrilli』(2002)はフィンランドのみならず国際的にも大変好意的に受容れられた。続く2作目となる『Malanja』(2006)では、1作目の持っていた生き生きとした民俗舞踊的な雰囲気とフィンランドの自然の引き出すインスピレーションとの両方を感じさせる。この2作目はSACDとのハイブリッド・ディスク仕様で、通常のCDとしてだけでなく、SACDとして5.0chのマルチ・チャンネル・サラウンド録音を楽しむことが出来る。この2作目が、1作目からの抜粋つきで、2007年春ついに日本で公式リリースされる。

パウリーナは、ソロ活動とは別に、多彩な才能を様々なバンド活動でも存分に発揮している。フィンランドでも理解できる人の方が珍しいといわれるオリジナルのカレリア方言を用いて歌う唯一のバンドである「ブーラカット(Burlakat)」(Vagabond 放浪者、無頼漢という意味)は、これまでに2枚のアルバムを発表しており、2006年もライブ活動を行っている。ジャズの要素も加わり非常にエキサイティングな音楽性を持っている。とはいえ、彼女の参加するバンドで最もエキゾチックなものといえば「クリヤ(Kriya)」だろう。このバンドは彼女の夫であるピーター・レルヒェ(Peter Lerche)のギターと彼が少年時代をすごしたパキスタンの音楽、ミュージシャンが、パウリーナの持つフィンランドの伝統音楽の要素と混淆一体となって摩訶不思議な世界を作り出している。このクリヤは2006年に最初のアルバム「クリヤ(Kriya)」を発表している。ピーターはフィンランドの雄ペッカ・ポホヨラのバンドでも活動したことのある一流のギタリスト(アルバム「Urban Tango」と「Everyman (Jokamies)」に参加)。ロックからジャズ、インド音楽まで、とても幅広い音楽性を持っており懐が深い。彼のソロ・アルバム「Peshawar Diary」にもパウリーナが参加している。

今回来日するパウリーナ・レルヒェのバンドは、Mimmitでも一緒に活動した妹ハンナマリが一緒だ。Mimmitは女性ばかり4人のグループだったが、今回は男女混合の構成。アルバムでも聞かれたドブロ・ギターを使った楽曲も演奏されるに違いない。ドラムレスの構成ながら前回のソロ公演同様リズムは強烈に意識されることは間違いないだろう。夫であるピーターではないギタリストたちとの演奏に今から興味津々である。 (宮崎真彦)

■主な作品

<ソロ・アルバム>
・「Katrilli」(2002)
・「Malanja」(2006)

<バンド作品>
・Hector Acoustic Quartet (2004 - )
・Kriya (2003 - ) :「Kriya」(2006)
・Vesa-Matti Loirin yhtye (2002 - ) (Maria Kalaniemi(1998-2001)の後任として)
・Burlakat (1994 - ):「Tsastuska」(1999), 「Magie」(2003)
・Mimmit (1993 - 2001):今回来日する妹 Hannamariもメンバーだった。シングル2枚を発表。
・Sivuluisu (1990 - 1993):シングル1枚を発表
・Varttina (1983 - 1989):「Varttina: The First Album」(1987),「Musta Lindu: Black Bird」(1989)

<その他の参加作品>
・Peter Lerche 「Peshawar Diary」(2002)
http://www.mediarace.fi/pauliina/peterlerche/